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家庭菜園で使える!納豆パックからつくる自家製「納豆菌液」──土づくりに発酵のチカラを

2025-12-09

この記事では、食べ終わった納豆パックからつくる“納豆菌液”の培養方法と、家庭菜園での活用法・期待できる効果をまとめています。

家庭菜園を続けていると、「もっと土を良くしたい」「病気が出ない環境を作りたい」という課題に必ず直面します。
私自身も、今年の夏にミニトマトを育てた際、根腐れを起こしてしまい、土づくりの重要性を痛感しました。

ミニトマト栽培記|種&苗で育ち方を比較しました!(2025)

この記事では、食べ終わった納豆パックからつくる“納豆菌液”の培養方法と、家庭菜園での活用法・期待できる効果をまとめています。

納豆菌(枯草菌)は非常に生命力が強く、発酵の力を活かして「土を整える」助けになるといわれています。
以下では、実際に私が試した手順を写真つきで紹介しながら、病害予防や土の改善にどう役立つのかをわかりやすく解説します。

納豆菌液づくりに必要なもの

使うのはどれも身近なものばかりです。

  • ペットボトル
    家にあったお酒のペットボトル(4L)を使用しました。大容量かつ丈夫でおすすめです。
    Kirin White Horse Fine Old Whisky
  • 食べ終わった納豆のパック
    粒の大きさや「ひきわり」などの種類は何でも良いです。ブレンドするのも楽しいと思います。
    タレ・カラシは入れないこと。
  • 納豆の粒を1〜2粒
    洗い汁だけでも作れますが、粒を少し入れると菌量が増えて安定します。
  • 砂糖(水1Lあたり20g)
    白砂糖よりは、きび糖などの茶色い砂糖のほうがミネラルがあり適しています。
  • 【散布時】ハスの実が外せるジョウロ
    納豆の粒や皮が詰まるので、取り外して洗えると便利です。

納豆パックから納豆菌を培養する手順

0. 納豆を食べる際の留意点

付属のタレやカラシがある場合、パックではなく別の器で混ぜましょう!

塩分やカラシが混ざってしまうと悪影響を及ぼす可能性があります。

また、ちょっともったいないですが、1~2粒食べ残しておきましょう。

1. 納豆パックとフィルムを洗い、洗い汁を作る

食べ終わった納豆パックとフィルムをボウルで水洗いし、洗い汁を作ります。
この際、納豆の粒を1〜2粒加えると、発酵がより安定して進みます。

2. 洗い汁と砂糖をペットボトルに入れ、よく混ぜる

きび糖80g

納豆菌のエサとして、砂糖を 1L あたり 20g 加えます。
今回は 4L ペットボトルを使用したので、80g加えました。

フタを閉め、しっかりと振って溶かします。

納豆の洗い汁と砂糖を混ぜたもの
ペットボトルの蓋がなかったのでアルミホイルで代用しました

3. 暖かいところに置き、毎日振って酸素を補給する

納豆菌は好気性なので、酸素が必要です。
毎日ペットボトルを開けて空気を入れ替えてよく振りましょう。
これは、発酵に伴い発生するガスを逃がす目的も兼ねています。

置き場所については、気温が高いほど発酵が順調に進みます。
ただし、直射日光はNG!🙅 紫外線で菌が死滅してしまいます。

直射日光を避ける
直射日光はNG

4. 発酵の進み方と香りの変化

数日すると液体が少し白濁し、香りが
「納豆の香りに、ほんのりアルコールが混ざったようなにおい」
に変わってきます。これが発酵が進んでいるサインです。

納豆菌液の使い方

ジョウロの水に納豆菌液を混ぜて、そのまま土にまくだけです。
希釈倍率はあまり気にしていません。水と半々くらいでも特段問題は起きていません。
減ってきたらまた水と砂糖を足していくらでも増やせるので、どんどん使いましょう!

散布の際は、ジョウロのハスの実に納豆の粒や皮が詰まるため、ハスの実を外して洗えるジョウロを使うと良いでしょう。

納豆菌液を家庭菜園で使うメリット

私がとくに期待しているのは以下の2つです。

① 病害予防

納豆菌は繁殖力が強く、まだ病原菌がいない土壌で先に増やしておくことで、病原菌が入り込む余地を減らすと言われています。

※ すでに病原菌が多く存在している土では効果が限定的です。

例えば、土を再生する際には日光消毒を行いますので、この工程の直後に納豆菌を入れておくのが良さそうです。

土の再生についてはこちらの記事で紹介しています👇

集合住宅でもできる!牛ふん堆肥で土を再生

② 団粒構造化

「良い土」が備えるべき性質として、一般に次の 三要素 が知られています。

  • 物理性(水はけ・保水性・通気性)
  • 化学性(肥料成分の保持や交換のしやすさ)
  • 生物性(微生物の多様性と活性)

これらを満たすうえで重要とされるのが 「団粒構造」 と呼ばれる、土が小さな粒の塊として安定する状態です。

団粒構造は、さまざまな細菌・糸状菌・有機物が関わり合って形成されますが、
納豆菌はその第一段階としてネバネバで土粒子をまとめるという重要な役割を担うそうです。

参考文献:

微生物談義第4回 「放線菌」の働き 2話 | サンビオティック公式ブログ

これらのメリットを実感できたら随時追記していきます!

まとめ

この記事では、納豆菌液の培養方法と、家庭菜園での活用方法、期待できる効果について紹介しました。

一朝一夕に効果を実感できるものではないため、これからの家庭菜園で積極的に取り入れながら、じっくり経過を見ていこうと思います!


wand

「wand」は魔法の杖を意味します。魔法のようにさまざまなものを自分の手で生み出せるようになりたい、そんな思いを込めました。 ハンドメイド、家庭菜園、DIY、プログラミング等、「つくる」をテーマに色々なことをしていきたいと思っています。 Amazonのアソシエイトとして、wand は適格販売により収入を得ています。 GitHub: https://github.com/wand2016